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バレェシリーズの作品について
このたび、丸善日本橋店3階特設会場にて開催いたします「家族の肖像」展につきまして、バレェダンサーを描きました作品も展示させていただくにあたり、バレェダンサーを描き始めた経緯を少しお話したいと思います。
私は今年で画業13年になります。これまで「家族」や「憩い」をテーマに、油彩画やパステル画の作品を制作してきましたが、中でも登場人物の動きやその場の空気感、時間の流れ…のようなものをいつも大切に描いています。
私は幼いころから、幼馴染みのバレェ公演によく足を運んでいた影響で、いつかバレェダンサーを描いてみたい…という憧れをいつからか抱くようになりました。ですが、いつも現場取材をもとに作品制作をする私はなかなかそのような機会を得ることが出来ず、年月だけが空しく過ぎ去っていきました。かつての幼馴染みはお互いの転校や進学の関係でしばらく連絡が途絶えてしまっていましたが、プリマを目指していた彼女は海外留学した後、Kバレェ団(熊川哲也さんのバレェカンパニー)のプリマ(主演バレリーナ)として活躍し、その後は海外のバレェ団へ…と、忙しく飛び回っていました。
そんな中、2017年に彼女から突然連絡をもらいました。練習中に足を負傷して手術のため日本に帰国するということでした。彼女のファン第1号(自称)の私としては足のケガも心配でしたが、久しぶりの再会に胸が躍りました。それから約2年、彼女がケガの手術とリハビリを乗り越え、再びステージに立つまでの舞台裏を密着取材させてもらい、念願だったバレェシリーズの作品制作を実現させることが出来ました。
2019年の秋、彼女からビッグニュースが届きました。海外から「Sleeping Beauty~眠れる森の美女~」への主演オファーが来たというのです。ケガの後遺症を懸念すると、それが現役最後のステージになると思うとのことでした。海外ということで一瞬躊躇しましたが、もう二度とない機会だと思い、すぐさま現地(メルボルン)への航空券とホテルを手配しました。幸運なことに、私は彼女の友人ということで練習時間やリハーサル中の舞台袖や楽屋などへの立ち入りを特別に許可され、大変貴重な体験と取材をさせてもらうことが出来ました。本番は客席でじっくりと彼女の演じるオーロラ姫をしっかりと目に焼き付け、一生の思い出となりました。観劇中、小学生時代のあどけない彼女の姿が走馬灯のように蘇り、何とも感慨深い気持ちになりました…。
こうして生まれたバレェシリーズ第一弾の発表を予定していた個展は、惜しくも2020年の緊急事態宣言によって中止となり、今回はそのリベンジ(東京では4年越し)となる原画展になります。バレェに精通する方々にもぜひ本展をご高覧いただけましたら、大変嬉しく、光栄に存じます。
密着取材の二年間、そしてメルボルン滞在中のことなど‥‥まだまだお話したいことは沢山あるのですが、思い出すと気持ちがヒートアップしてしまうので … 笑
私とバレェトークしてくださる方、ぜひ展覧会場でお待ちしております!
◎今回、バレェシリーズは油彩・パステル画を合わせて大小5点ほど展示予定です。顔や手の表情、衣装や舞台背景などを特に力を入れて描きました。ぜひ会場でそのあたりもご覧いただけら嬉しいです。