洋画家 妃香利 - Hikari

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広島・瀬戸田「レモン谷」へ制作取材に行ってきました

 先月、東京の個展が終わったあとに「レモンの島」とも呼ばれている生口島・いくちじま(広島県尾道市瀬戸田町)の「レモン谷」へ行ってきました。生口島は、瀬戸内海にうかぶ島の一つで、しまなみ海道沿いはサイクリングコースとしても人気らしく、最近は外国の方も数多く訪れるそうです。

 今回こちらを訪れたのは、3月に開催した広島・福屋八丁堀本店さんでの個展の際、瀬戸内海と広島の特産物でもあるレモンなどが入った大きめの作品が欲しいというご注文をいただき、そのための取材が目的でした。「地元の風景やモチーフの入った作品が欲しい」という具体的なご注文でしたので、現場取材を徹底している私としてはやはり「現地に行かねば!」と思い、4泊5日で瀬戸内取材を決行してきました。

 広島の個展後、注文作品の納期と今後の展示スケジュールを考慮すると4月後半しか取材に行けない・・・となり、バタバタと今の時期にまだレモンの見れる農園さんをリサーチしたところ、40年前から自然農法(肥料・農薬 不使用)で「安心・安全・新鮮」をモットーに柑橘類を育てられている「れもんだにのうえん」さんを発見し、電話で取材依頼をしたところ快くご了承いただきました。

 初日は瀬戸内の海や橋を取材したく、広島空港から呉市へ。
1日目は呉の倉橋島へ行き、瀬戸内海と様々な橋を色々な角度から取材しました。

  

 2日目は、朝一で呉市から瀬戸田町へ向かい、「れもんだにのうえん」さんを訪ねました。
農園をぐるりと一周、とても丁寧に解説しながらご案内いただきました。

  

 「れもんだにのうえん」さんのある「レモン谷」は、海道沿いの山の斜面にあるので農園の上の方まで行くと瀬戸内海を一望できる大変素晴らしいスポットがあり思わず感動!

 農園の方も「景色が良いので気持ちよく仕事できますよ」と仰られていました。

    

 木々や葉っぱ、果実の微妙な色味やスケール感などをとらえておきたく、鉛筆と水彩で黙々と手早くスケッチ・・・。

  

 途中で雨が降ってきてしまったので、旅館へ戻り翌日以降に備え旅の疲れをとることにしました。

 3日目は朝から夜まで終日雨予報だったので、予定を変更して尾道観光へシフトチェンジ。お天気が心配だったので予備日も考慮して少し長めに日程を設けておいて正解でした。

 尾道までは瀬戸田港から出ている瀬戸内クルーズという小さなフェリー?で約40分。予定外でしたが雨の尾道もなかなか風情があり、瀬戸内海の絶景、元祖尾道ラーメン、メロンのソフトクリームなどを堪能できました(笑)

 4日目は朝からレモン谷へ向かい、取材ラストチャンス!
曇り空から少しずつ日も出てきて光もいい感じになり、2~3時間とても良い取材ができました。取材の神様ありがとうございます!と心の中で感謝。。

 

 「れもんだにのうえん」さんは、レモン・ネーブル・八朔・サンフルーツなどの柑橘の他にもイチジクや梅、ハチミツなども作られています。また、どこからともなく飛んできた種がいつの間にか自生して勝手に育っているといったことも多いそうで、キウイ、アケビ、ビワ、キリの樹などもとてもとても立派に生えていました(都会育ちの私は初めて見るものばかり!)

 本当に自然そのままの営みを大切にされていて、農園というよりも小さな森の中にいるような感覚になりました。帰り際、おみやげにとレモンを収穫させて頂き、穫りたての大変ジューシーな柑橘類をその場で食べさせていただきました♪「種や皮は肥料になるから、その辺にぽいっと捨てちゃってください」と言われ、食べかすをぽぽい!っと初体験 (笑)

    

 「れもんだにのうえん」さんのレモンは自然農法なので安心して皮ごと食べられます。家に帰ったあと、農園の方に教えていただいた通りにピーラーでレモンの皮を細かくし、果汁と一緒にサラダやパスタ、紅茶やハチミツを入れた白湯など入れてみると、レモンの香りに程よい皮の苦みがプラスされて本当に美味しかったです!あと、個人的にはビールやトマトジュースなんかに入れるのもおすすめ☆

 最後に、お世話になった「れもんだにのうえん」永井家の皆さまに記念撮影をお願いしました♪ご家族のみなさんに大変あたたかく迎えて頂き、代々受け継がれている農園への熱い想いや愛情、農園を取り巻く野生動植物や昆虫、天災なども含めた自然界の大きな営みに対する考え方、そして日本の農業に対する考えや想いなどを五感からフルに感じ取ることができました。

 成果物は違いますが、私もおなじ「ものづくり」をする人間として、大切にしていることや考え方に共感する部分もあり、素敵な農園とともに皆さんのお人柄にも魅了されました。今回の注文作品を制作するにあたり、モチーフとなるものを実際に作られている方から直接お話をうかがい、現場で働くお姿を拝見できたことは、やはり自分の予想をはるかに超える体験と感動へと繋がりました。ここで感じ得たものを作品へ込めることが出来ればと思っています。「れもんだにのうえん」永井家の皆さま、本当にありがとうございました!

「れもんだにのうえん」さんのレモンは、オーガニック志向の飲食店さんなどでも利用されているそうです。また、定期的に東京・大阪・横浜などで開催しているマルシェなどではレモンや他の柑橘類、レモンや梅のはちみつ漬けなどもありますので、ぜひ機会がありましたら立ち寄ってみてください☆ マルシェ出展スケジュールは、下記のウェブサイトからご覧いただけます。

【れもんだにのうえんHP】
https://remondaninouen.jimdofree.com/
【れもんだにのうえんフェイスブックページ】
https://www.facebook.com/remondaninouen/


「れもんだにのうえん」さん・マルシェ出展のご様子(恵比寿ガーデンプレイス)
テントブースの上を装飾しているレモン、ユーカリの葉、ミモザなどもすべて農園のもので手作り!

  • 注文制作

お子様のご注文作品

先日、半年ほど前にご注文いただいた作品を納品してきました。

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油彩・キャンバス 410mm × 318mm

久しぶりに人物画(お子様の絵)をご注文いただき、私も気合いを入れて取りかかり
とても楽しく描かせていただきました。

人物画(特に子供の表情)を描いていると、私も思わずニンマリしてしまいます。

今回は今年4月に小学校へ入学した息子さんを記念に描いてほしいというご注文でした。入学式や普段のお写真などをデータで何枚かお送りいただき、その写真を参考にしながら進めました。1枚の写真ではよくわからない箇所もあるので、なるべく様々な表情・違う角度から撮った写真を何枚か頂くようにしています。できれば一度ご本人にお会いできれば良いのですが、難しい場合は動画をいただくこともあります。動いている映像(人物の声や表情の動き)からは性格なども感じることができ、とても参考になります。

<制作過程>
エスキース(下絵)作成。この段階でいちどお客様へご確認いただきます。
ご納得いただけたら本画制作に入ります。
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キャンバスへ下絵を転写します。
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ざっくり一層目を塗っていきます。
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背景には桜の木を入れてみました。
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やっぱり入学式といえば桜ですよね。自分の入学式を思い出しながら・・・。
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この桜の木は6年間の成長をそばで見守ってくれるんですね・・・。
昨日まで幼稚園に通っていた子が6年後はもう中学生になっちゃうのかぁ・・・なんて考えながら。。
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桜の木の後ろには、これから6年間通う校舎の窓を入れてみました。
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一層目が塗り終えたので、2層目。少し厚みがでてきました。
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細部の描きこみや全体のバランスを見ながら色の調整をしていきます。
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ここでいったん、全体のイメージを固めるため額を作りに行きました。
額は行きつけの額装屋さんへ原画を持参し、作品に合ったものをオーダーメイドで制作します。額は何百種類もあるのですが、今回は明るいアンティーク調の控えめなゴールドのものにしました。元気で明るい男の子のイメージと、入学式の清々しく華やかなイメージ、そして一般のご家庭に飾りやすいものという点で吟味して選びました。
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オーダーした額の完成をイメージしながら、ふたたび制作に戻ります。
もう少し桜の花びらを散らしたくなりました。人物が引き立つよう背景も少し変更しました。まだ完成してませんが、バランスを見るためここでサインを入れておきます。
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微調整をして完成(あっという間のようですが、この微調整に一番時間がかかります)
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完成した額にあてはめて・・・ニンマリ。
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以前一度だけお会いした時のハツラツとした雰囲気が表現できたかなと思います。

ご注文作品は、お子様・ご夫婦の思い出や記念としてや愛犬・愛ネコ、結婚式のウェルカムボードやプレゼントとしてご利用いただくことが多いです。ご注文から完成までは、2か月~半年ほどお時間をいただいています。

作品サイズや技法(水彩・パステル・油絵)、額装もイメージやご予算に合わせてご相談可能です。
当ホームページの「お問い合わせ」ページ、もしくは展覧会場にてご相談ください。

妃香利