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クサカベ工場見学 その2「顔料(色の粉)が絵具になるまで」
さて、続いて案内されたのはミキサー室です。
前回ご紹介した”分散材”と、色の大元となる”顔料”をミキサーと呼ばれる機械でペースト状に混ぜ合わせていきます。
左側のおおきな機械がミキサーで、その下に右側の大きな釜?をセットし、その中に顔料や分散材などを入れてグルグルとかき回していきます。そもそもは、絵具を混ぜ合わせる用の機械ではなく、やはり食品工場などで使う用のものらしいです。笑
こちらはちょうど、近くでミキサーにかけられていた水彩絵具になる前段階のもの。色味的に「カドミウムイエロー」あたりでしょうか。。なんだかカボチャのスープのようで美味しそう。。
続いては、ローラー室。
ここで、体質顔料などを混ぜ合わせながら色の濃度調整などを行い、顔料の粒子を細かく細かくつぶしていくそうです。1色あたりかなりの時間(2〜3日)を費やし、よーく、よーく練るのだそうです。
ローラー室には6台くらいのローラーが有り、それぞれで別の色を作っています。
職人さんが付きっきりで作業しており、何をしているのかというと、ローラーの端っこから出て来た絵具を鉄のヘラ(お好み焼のヘラみたいなもの)ですくい、またローラーの中に戻すという作業をしています。ローラーの真ん中の部分で練られたものだけを絵具として使用するためのだそうです!
真剣な眼差しで黙々と腕をを動かす職人さん達。そのヘラさばきは、まさに職人業!
まったく無駄な動きがありません。シャカ!シャカシャカ!と、ヘラの擦れる音が鳴り響きます。
こちらが出来上がって来た絵具。
なんだかチョコレートのようで・・・とても綺麗でした。
(なんでも食べ物に見えてしまう。。)
その後、数日間じっくりと寝かします。
こんなに大量の絵具を扱っているのに、ミキサー室・ローラー室ともに、とても綺麗だなと思いました。
床や機械などについてしまった絵具はすぐに拭き取るように徹底しており、1日の仕事が終わると、だいたい30分〜1時間くらいかけて、機械のお掃除をするらしいです。素晴らしい!見習わなければ。。
つづく・・・次回は色のチェックと出荷されるまでの行程をご紹介します。
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クサカベ工場見学3 〜色のチェックと出荷されるまで〜
さて、つづいて案内されたのは、色のチェックを行う部屋です。
丹念に練られた絵具の色がきちんと基準値通りになっているか確認します。
チェック待ちの絵具がずらりと棚に並んでいます。写真右は、クサカベ創業時から受け継がれている基準色、いわゆるマスター絵具。できたばかりの絵具と比較し、同じ色になっているか審査します。
基本的に色のチェックは目視確認だそうです。マスター絵具と出来たばかりの絵具を紙パレットの上に並べて出し、ナイフでうすーくのばして確認します。目視確認後、機械でもチェックします。(写真右上)
「彩度」「明るさ」「色相」等さまざまな面から審査し、基準値から外れた場合は、もう一度ローラー室にて濃度調整などを行いながら練り直すそうです。
こちらは顔料の粒子などがきちんと潰されているか確認する道具です。真ん中にある溝に角度がついていて、そこに絵具を擦り込みヘラのようなものでならします。その途中で引っ掛かりがあれば、顔料の粒子が残っているということなので、もう一度練り直しになります。
色の審査が完了したら、いよいよ絵具をチューブに入れていく作業になります。
こちらは絵具をチューブに入れる機械(写真左)と、絵具が注入される前のチューブ(写真右)。
パイプのようなところにこのチューブを逆さに入れ、上から絵具を注入するそうです。
絵具を入れたチューブのお尻を折り畳む作業のみを担当する機械もあり、油絵具と水彩絵具では折り方が違うそうです(知らなかった!)
こちらは絵具の入ったチューブにラベルを貼る機械。ラベルを巻くステップと、のり付けするステップに分かれています。1枚1枚、手際よく巻いています。。なんだか機械が生き物のように見えます。。
最後はチューブの正確な位置にきちんとラベルが貼られているか人の目で1本1本確認。
こちらが出来上がった商品。その後、専用の小箱に1本1本つめて出荷されます。
さて、ここまで約1時間ほどの工場見学でしたが、1色の絵具がここまで辿りつくのに、なんと約1ヶ月もかかるそうです!1色つくるのに、ものすごく時間がかかるんですね。クサカベさんは油絵具だけでも4種類出していて、その種類によっても絵具を練る時間や寝かせる熟成時間が異なるので、もっともっと長い時間を要する絵具もあるのだそうです。
【サブ知識】水彩絵具と油絵具ってどう違うの??という質問をされることがありますが、そもそも色の大元となる顔料(色の粉)は水彩絵具も油絵具もアクリル絵具もテンペラも同じ物になります。それでは、なにが違うのかというと、その顔料を練っているもの(展色材)がそれぞれ異なります。写真をご覧頂くと分かりますが、水彩絵具はアラビアガム、アクリル絵具はアクリルエマルジョン、テンペラは卵黄+酢(水)、油絵具は乾性油(リンシードオイル)で練られています。そのため、油で練られている油絵具を水で湿らせた筆で描いたら分離してしまいます。なので、油絵を描く時は水ではなく、油で溶きながら描いていくということですね。
次回は、いよいよ”ミノー油絵具”で描いた作品をご紹介いたします!
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“コバルトブルー”で描く 冬の空
工場見学から約1ヶ月後、”mino油絵具”を使用して描いた作品を持参し、
再度クサカベさんを訪れました。
実は原画を見ていただくのは初めて。
持参した作品は、次回の個展で出品する東京の公園とそこに憩う人々をテーマにした
12枚の連作「東京遊覧 四季だより」シリーズの1枚。
工場見学の際、顔料についてご説明いただいた”コバルトブルー”という色がとても気に入り、
私の作品にしては珍しく空を大きく入れ、コバルトブルーをたくさん使ってみました。
正確には”コバルトブルー”と”チタニウムホワイト”、そして微量の”モナトラスグリーン”という
色を混ぜて使用しています。
開発担当の方からは
「よく”mino油絵具”の特徴を活かして描けていて、色がとても綺麗に出ていますね。やはり原画は良いですね。」と言っていただけました。

開発担当の小川さんと。作品は、連作「東京遊覧 四季だより」シリーズの1枚 “睦月”
(1月の昭和記念公園をモデルに描きました)
次回は「クサカベ誕生秘話 〜薬剤師が生み出した油絵具〜」をご紹介します!
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クサカベ誕生秘話 〜薬剤師が生み出した油絵具〜
今回は、クサカベ油絵具がどのように誕生したのかご紹介いたします。(以下、抜粋)
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1900年、もともとクサカベの創業者 日下部信一は薬剤師として
神田小川町に薬局(日下部薬局)を営んでいました。
ある日、近くの学校教諭から毒劇物の顔料も扱える「日下部薬局」へ
油絵具の製造が依頼され、手練りで作り始めたのがきっかけとなり
“クサカベ油絵具”が誕生しました。(当時、毒劇物を扱えるのは薬局だけだったそうです)
しかし、薬のことは判っても絵具の事となると良くわからなかったため、
絵具に詳しい画家から指導を受けつつ、研究・製造をすすめました。
やがてそれが口コミで評判となり、手練りでは間に合わなくなったため
1928年、クサカベ油絵具製造所が設立されました。
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開発の方曰く、昔から絵具はどこの国でも使い手の画家と相談しながら、
一緒に作りあげていくものなのだそうです。そのため、絵具会社は決して
ひとりよがりではいけない。と仰っていました。
また、作品は決して絵具だけでは成り立たないため、根本は変えずに
作家さんの作風に寄せて使って欲しい、とも仰っていました。
絵具会社の歴史や、絵具づくりに携わってきた人達の思いを想像し、
今の時代に生き、絵を描く者として、自分にできることは何なのか。
自分にしかできないことは何なのか。
改めて考え直す機会となりました。
次回は、12月17日に行われたクサカベ新工場 落成披露パーティーの様子をご報告いたします!
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- お知らせ
クサカベ新工場 落成式
あけましておめでとうございます。
年明け早々バタバタとしており、更新が遅くなってしまいました。
今年は本厄なので厄払いも早々に済ませたのですが、さっそく風邪でダウンしたりと。。
なんとも切ない幕開けでしたが、2015年は色々と落ち着いて慎重に
あまり無理をしすぎず頑張りたいと思います。。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、今回は12月17日に駆けつけましたクサカベさんの新工場 落成式の様子をご報告したいと思います。
新工場の2階にはワークショーップなどを行える大きな部屋が作られ、落成式はそちらの
部屋で行われました。広々とした水場やツルツルとした床など、絵具を使う上での様々な配慮が
感じられました。こちらでワークショップや講習会などを積極的に行っていく予定だそうです。
また、外部の方にもワークショップ等でぜひ使ってもらいたいとのことでした。
社長の挨拶では「決して景気が良いわけではありません。ですが、クサカベは本気です!」と仰っていました。昨今、絵を描く人たちが減り続けていて、美大も画材メーカーもかなり苦しい状態だそうです。美大を出てもほとんどの若者が別の仕事につき、10年以内に筆を置いてしまうのだとか。
私もなにかしら、夢を与えられるような仕事ができたらと思います。
ワークショップルームの前には、以前クサカベの甲賀社長とお話した際にうかがった、
カンボジアの子供達の作品が展示されていました。
ある日本人女性の方が2008年にカンボジア”ジェムリアップ”に設立した、子供達を対象とした小さな美術スクールがあります。クサカベは、そのスクールへ自社の水彩絵具「アキーラ(水性アルキド樹脂絵具)」を供給するほか、子供達が描いた作品を展示販売し、その売上をスクールの運営費へと還元するなどの支援を行っているそうです。
子供達の描いた作品を見ていると、蓮の花を描いている子が多いことに気づきました。
現地の気候や風景が頭の中に浮かんでくるような、とても色彩豊かで素敵な作品ばかりでした。
以前からカンボジアという国へ一度行ってみたいと思っていたのですが、現地の子供達の絵を見て
ますます行きたくなってしまいました。蓮の花も日本で見るのとまた違った趣があるんでしょうね。。
いよいよ今月末から、埼玉新聞さんにて「絵具メーカー”クサカベ” × 洋画家 妃香利」の全7回にわたる連載がスタートします!こちらの活動日記でも記事をご紹介したいと思いますので、お楽しみに^^
これまでの活動日記を読んでいただくと、記事の内容もより一層たのしんで頂けるかと思います。
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個展を終えて
東武百貨店池袋店での初個展、無事に終了いたしました。
ご来場いただきました皆様、そして作品をお求めいただきました皆様に心から御礼申し上げます。
個展初日に東京新聞さんで記事掲載いただけたこともあり、連日たくさんのお客様でに賑わい、大変盛況な展覧会となりました。また、埼玉新聞さんの連載記事をご覧になり、平林寺の近所からお越しくださった方などもいらっしゃいました。
個展としては約3年ぶりとなりましたが、13か月の準備期間を経ての開催ということもあり、「作品が見違えるように良くなった」「成長したね」などのお声を多くいただき、私自身も確かな手ごたえを感じる展覧会となりました。
私のように、油彩画で東京の身近な風景を描いている作家さんは意外と少なく、お客様や百貨店の方々、美術関係者の方々からも「親しみを感じて良い」「珍しくて貴重だ」などのご意見も頂きました。
海外の風景は描かないのですか?などといった質問もありましたが、海外の風景も描くことはありますが、最近はなかなか海外へ行く時間がないということや、まずは自国にある美しい四季の風景を地元人である私ならではの目線で描き、伝えていきたいということも理由のひとつとしてあります。
ここ4~5年で描いた日本の景色でも、天災や工事などで既にもう2度と見ることの出来なくなってしまった景色がたくさんあります。当たり前に存在する何気ない景色も日々刻々と移り変わり、10年、20年、50年、100年・・・と経つと、きっと貴重な景色となっていることと思います。私は、今生きている人たちはもちろんのこと、ずっと先の後世を生きる人たちにも今の時代の素敵な景色を見てもらいたいと思いながら作品をつくっています。2020年には東京オリンピックが開催され、世界中からたくさんの外国の方々が集まるかと思います。ぜひ海外の方々にもアートを通し、何かしらの形で東京の美しい景色をお伝えできたらと考えています。
来年の春も東武さんで個展を開催できることになりましたので、さらに腕を磨き、新作を発表できればと思います。最後に、今回の個展開催に際しお力添えいただきました絵具メーカークサカベの皆様、筆メーカー中里の皆様、マルニ額縁画材店の皆様、アポロ製作所の皆様に御礼申し上げます。
妃香利
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横浜
久しぶりの更新です。
3月末の個展が終わり、長い時間をかけて準備してきたものを発表できた想いと、やりきった感でしばらく放心状態というか、燃え尽き症候群のようになっていました。。
次の展覧会の準備やご注文作品の制作など、やるべきことは山のようにたまっているのですが、なかなかエンジンがかからず、、でも動いていないとそれはそれでソワソワしてしまうので、、取材へ行ったり、キャンバスを張ったり、少しずつ描き始めたりと、ここ2か月は心身の休養も兼ね、のんびりと過ごしていました。
次回展覧会は、7月11日(土)~7月20日(月)「横浜山手の坂道と風景展」になります。私は新作を含めた小品を5~6点、出品予定です。連作「東京遊覧四季だより」のオリジナルポストカードセット(12枚入)と、ICカードデザインジャケット(13種)も販売いたします。通常の展覧会よりも会期が長めですので、お時間ございましたらぜひご来場ください。会場は、私が初めて個展を開催した「Art Gallery 山手」さんになります。元町・中華街から徒歩3分。中華街や港の見える丘公園など、映画「コクリコ坂から」の舞台にもなった、夏が似合う横浜の街をぜひ一緒に楽しんでいってください。
あと今、新しいグッズの販売準備も進めています。まだ水面下で進行している段階なので詳しいことは発表できませんが、何年も前からリクエストは頂いていて、私自身もぜひ作りたいと思っていたのですが、なかなか準備に時間がかかるもので。。また完成しだいお披露目させていただきますので、こちらもぜひ楽しみにしていてください。
これから世の中の子供たちは夏休みですね。6月~8月にかけては、フィンガーペイントのワークショップも各地で開催していきますので、お子様はもちろん大人の方もぜひ気軽に遊びに来てください。
お待ちしています☆
妃香利
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横浜山手の坂道と風景展
ようやく・・・梅雨も明けたのでしょうか?
今年は7月末まで梅雨だと聞いてましたが、このまま明けてくれればいいですね。
7月は蓮の花や花火大会など夏の風物詩を取材に行きたいので、日々天気予報が気がかりです。
先日、横浜ではじまる展覧会の飾り付けに行ってきました。
お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。
【横浜山手の坂道と風景展 PART1】
2015年7月11日(土)~7月20日(月・祝)
AM11時-PM7時(最終日はPM5時迄)
9名の作家が参加しており、私は油絵を3点・ジークレーを3点・ポストカードセットなどのグッズを出品しています。※「横浜画廊散歩 7月号」に展覧会情報と私の作品が掲載されています。
【会場】Art Gallery 山手(元町中華街駅より徒歩3分)
〒231-0862 横浜市中区山手町100 サンセット山手1F
TEL 045-628-0267
http://www.art-g-yamate.com/index.html
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東京-TOKYO
横浜山手の坂道展PART1は無事に終了いたしました。
暑い中ご来場いただきまして、ありがとうございました。
さて、昨日は吉祥寺に行ったついでに本を2冊買ってきました。
いつも東京の風景をモデルに絵を描いていて、海外の方にも作品を楽しんでもらえたらなぁと思っているのですが、ちらっとそんな話をした親戚から勧めてもらったのがこの洋書ガイドブック。
少し立ち読みしてみると、、英語の得意ではない私にも分かりやすい単語が使われていて読み易く、日本人の目の付け所と海外の方の目の付け所の違いも感じて非常に面白い。
へぇ~そうなんだ~、という情報がたくさん書いてあり、東京人のたしなみとしても少し勉強しておこうと思いました。英語の勉強にもなって一石二鳥ですね。
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箔を使った作品
9月17日からの個展(福屋八丁堀本店)のため、今日から広島に行ってきます!
なかなかHPが更新できなかったので、少し出品作品をご紹介します。
今回は、新しい試みとして日本画材の金箔を使用した作品があります。
以前から部分的にキラキラさせたいと、金の絵具を使ったりもしてみたのですが
なかなか思うようなマチエールが出なかったのですが、今回はとてもうまくいきました!
まずはこちら。黄金の猫!(タイトルは違います)こちらは背景に金箔を使用しています。

F0号の小さな作品ですが、とても気に入っています。
続いて、宮島の風景を描いた作品です。葉っぱのところだけ金箔を貼っています。

P8号の作品で私にしては大きめのサイズです。最初のインスピレーション通りの作品に仕上がりました。
ぜひ会場で原画を見て頂きたいです。
これから飛行機に乗り、搬入に向かいます。
妃香利
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