洋画家 妃香利 - Hikari

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家族の肖像展・先生との出会い

2018年4月30日

現在、大阪の阪神梅田本店 美術画廊で開催中の「家族の肖像展」に恩師の藤木俊明先生が出品しています。

12年前、私が23歳の時にはじめてお会いした時のことを「金髪の若い子が突然現れてビックリした」と
今だに言われます…w 当時は本当に家庭環境が荒れ過ぎてて、それが顔にも出ていたのか…「夢も希望もないって顔してる」と言われるほどでした。

初対面にもかかわらず、芸術に対する熱く真摯なトークを永遠と続ける…そんな人柄に惹かれ、アトリエへ通いはじめました。アトリエは、薄暗い研究所のようなところで最初はびっくりしましたが、その静かな教室が当時の私にとっては唯一、心の休まる場所になっていきました。

もともとは1つの場所にずっといることや縛られることが苦手な性分で、昔はアルバイトや部活動もあまり長続きしない方だったのですが、絵の道に入ってからは一筋に続けてくることができました。
私の場合、絵を描くことに対して「好き」とか「楽しい」という感情よりも、作品と向き合うことで長く胸の奥に抱えているモヤモヤしたものや、心の傷を慰めてもらっているような感覚が強い気がします。

たまに、私の作品をご覧になった方から「子供が好きなの?」「猫を飼っているの?」とか
「温かいご家庭に育った方なのね」なんて言われることがありますが、作品というのは
音楽なんかもそうだと思いますが、手に入らないものや追い求めているものへの渇望感などを
表現する方の方が多いのではないのかなと思います。

ルノワールが幸せ溢れる作品ばかりを描き続けたのは、決して彼が幸せにあふれた人生だったわけではなく、「世の中には不愉快なことがたくさんあるのだから、絵の中だけは明るく、綺麗で、幸せでなければならない」と言っていたそうです。私が明るく穏やかな絵を描きたい理由と似ていると感じました。
ルノワールは自らの人生を通し、世の中の辛い想いを抱える人たちの心を慰め元気づける作品を描くべくして、明るく幸せな絵を描き続けたのではないでしょうか。
絵には人を幸せにする力があるということを私も信じています。

藤木先生の作品は、人柄がにじみ出ていてとても心休まるあたたかい作品です。実物を見に行けなくて残念ですが、個人的に右の2点(ピンクと赤の服を着ている女性の作品)が好きです。

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今回、私も10年程前によく描いていた人物画を急遽2点だけ展示させて頂いています。これまで販売はせずに想い出の作品として眠らせていた作品なので気恥ずかしいのですが…ある意味レアものです。。

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「sleep」油彩・P20号
(10年ほど前はよく人物画を描いていました。寝ポーズが結構好きでした。)

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「平穏」油彩・P8号
(今よりも写実的で色が地味な感じでした。当時の混沌とした心の中が表れていますね…w
絵のモデルさんが当時の自分と重なって見えます…)

会場では7名の作家さん(油彩、日本画、アクリル、パステル、色鉛筆、版画、ペン画など)の人物画や動物画がたくさん出品されているようですので、お近くの方はぜひ♪ 展覧会は明日の17時までです。

DM

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